禅宗における瞑想は、中国語で”Chan(禅)”という語で知られています。西暦700年ごろ隆盛となり、以来、瞑想は仏教を学ぶ最も有力な修行の一つとなり、韓国、日本、ベトナムそして今や多くの西欧諸国に広がっています。坐禅は心を落ち着かせ、ストレス、不安、抑圧を和らげ、平穏と寛容そして活気を生活にもたらします。心を空にして、内省することにより我々は我々自身の仏性に気が付き、我々の生来の知恵と喜びを掘り起こすことができるのです。
坐 禅 入 門
I. 姿勢
1.坐禅用クッションに背筋を伸ばして座り、体をリラックスさせる。
2.坐禅の足の組み方は結跏趺坐、またはそれに近いかたち半跏趺坐に足を組む。
3.腕を自然に下げる。
4.両手でダイヤモンドのかたち(右手をこぶしにして、左手の親指を握り左手は右手の甲に添える)をつくり、へそのあたりに置く。首をまっすぐに立て、あごはすこし引く。
5.視線を少し下げ、前方を見る(目を見開くと気が散りやすく、また閉じると眠くなりがちになる)口はほほえむようにする。
II. 呼吸
1.鼻から息を吸う。口からに吸わない。
2.呼吸は、静かに、ゆっくり、深く、同じリズムで無理なく吸い、吐く。
3.息を吐くときに、一つ、二つ、三つ、四つ、五つなどのように数える。
4.息を吸うときは、数えない。この方法を意識して呼吸を続ける。
1-3が上手く出来るようになるまで練習する。
Ⅲ. 心を落ち着かせる
1.ただただ呼吸に集中する。
2.これでよいか,よくなかったかとか,分析したりしない。
3.単にそのままの自分のその瞬間を感じるのみ。
Ⅳ. 坐禅を終えた
1.後頭や肩、体をゆっくり動かす。
2.両手のひらをやさしくすり合わせる。
3.又、手のひらで顔、耳、首、体、足をほぐします。
4.三回深い呼吸をします。
5.その都度体を前方に傾け、息をゆっくり吐きながら足をマッサージします。
6.足が痛かったり、しびれているときは、すぐには立ち上がらない。
V. 歩きながらの瞑想 -どこにでも、そこにあなたのこころがある
1.リラックスして、体は直立に、手をさげる。
2.前を向いて歩くか、前の人を見る
3.どのように歩いているのか、どこに次の足をおこうとしているのかに集中する。
4.そのほかのことを考えない。
5.つねにこの瞬間にいることを意識する。
6.瞑想に成功するこつは日常的な練習である。
7.心を込めることが人生の生き方になる。
Q&A:
Q:簡単な瞑想はどのように始めればよいですか?
A: もっとも簡単な瞑想方法のひとつは、静かに座り、呼吸に集中することです。心を込めて集中し、過去未来のことは考えません。ただ、呼吸をきちんと行い、息を吸い、息を吐くのです。一番良い姿勢は、仏陀が蓮台の上にすわっている時の座禅スタイルがよいです。
Q:瞑想中に眠ってしまわないようにするには?
A: 呼吸に集中する瞑想方法があなたに合っていないのかもしれません。他にたくさんの瞑想法があります。黙想瞑想、読経瞑想、身を伏せる(平伏)瞑想そして歩行瞑想などです。自分に合った瞑想方法を選べばいいのですが。どの方法でも心を込め、あなたが行っていることに集中することです。Q: 喜びと興奮の違いがわかりますか?
A: 普通の人は感覚的に興奮すると楽しさを覚えます。座禅することにより、こころが穏やかになり、そのことに喜びを感じます。それは、感覚的な楽しさよりももっとすばらしいことです。しかし、それを得るには練習がかかせません。
Q: 集中と意識の違いは何ですか?
A: 集中と意識(気づき)は仏教の瞑想における二つの主要な局面です。第一に心を落ち着かせる修行を行い、第二に真実に気づく修行を行います。最初の修行は静寂、集中、安定或いはサマサを得る修行として広く知られています。第二の修行は気づき、心に留める、黙想、内面瞑想或いはビパサーナ(インドの瞑想法の一つ)修行などで広く知られております。集中とは気を逸らすことなく、ある一つのことに深くフォーカスすることが出来るということで、そのことが心の静寂と安定をもたらします。意識すなわち、心に留めること、或いははっきりとした気づき、沈思は内面の理解と知恵をもたらします。この二つは仏教の瞑想に於いてお互いに補完的であり、欠くことのできないものです。